私たちは2008年から年に1〜2回、和歌山県・友ヶ島と家島・西島にて無人島ごみひろいを実施してきました。どちらの島も多くの自然に恵まれ、マリンレジャーや自然観察を楽しめる島ですが、一方で都会から河川へ流れ込んだごみが海流に乗って漂着し、島には大量のごみが発生しています。
流木等の自然物に混じり、あらゆるプラスチック製品やその破片、漁業関連ごみ、不法投棄ごみ等が漂着すると共に散乱し、ごみの量・種類ともその数は計り知れません。
このような状況は、瀬戸内海だけでなく日本全体の問題なのです。
私たちは、それぞれの島で潮流や地形が異なる漂着ごみを主に以下の3分類に分け、その内容を調査・記録・報告しています。
一般生活で消費される、ペットボトルや食品の包装ビニール、発泡スチロール容器(カップラーメンやトレイなど)などのプラスチック製品が多く見られます。海岸の漂着ごみは地下層にまで堆積しており、海岸の土を掘り起こすと大量のごみが掘り起こされます。長年の堆積により海岸の土の層にもかなりのごみが埋まっていると考えられます。
地名を特定できるごみ(地名や電話番号が書かれたライター、ゴルフ練習場の名前が書かれたゴルフボールなど)や表記が日本語ではない外国製品と思われるごみが数多く見られます。このようなごみから、漂流するごみが捨てられた場所や地域を特定または推定し、分析・調査したものを和歌山市へ報告しています。
スプレー缶や使い捨てライター、自動車やバイクの潤滑剤として使用されるグリスの容器やオイル缶、注射器、蛍光灯、電球などが漂着しています。スプレー缶は、中身が完全になくなっているものは穴をあけて処理できますが、中身が残っているものについては引火や爆発(太陽熱で内圧が高くなるため)の危険性があるため、処理が困難です。その他の危険ごみについても取り扱いに注意が必要です。